Bruno Vander Velde
Media Liaison & Outreach Manager
Center for International Forestry Research
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Manuel R. Guariguata
国際林業研究センター( CIFOR )・ 主席研究員(Principal Scientist)
熱帯林が、街、道路、大豆畑に置き換わるなか、その後に残されるのは、森林の残り(断片)と農地が放棄された後に再生してくる二次林の寄せ集めである。森林を守ることが、熱帯の保全にとって常に必要不可欠である一方、こうしたモザイク的なランドスケープは、林産物が採取される場所であっても、森林の種のかなりの部分を保持している。熱帯林の植物と動物に対する木材収穫のインパクトを調査することは、過去30年にわたり、生態学者たちを忙しくさせてきた。どの程度の択伐林が、グローバルな生物多様性の保全に貢献するかという問いは、依然、十分には分析されておらず、まだ十分な回答は得られていない。しかし、最近行われた二つの先行研究のメタ分析は、択伐が注意深く行われるなら、比較的害が少ないことを示す新しい証拠を提供している。
雑誌、Conservation Lettersに掲載された論文、Putz et al. (2012)は、サンプルである109の研究を通して、鳥類、哺乳類、昆虫、植物の種数に対する択伐の影響が、全体的に穏健であることを見出した。分析された事例の多くで良好な収穫方法が採用されておらず、それら事例研究の結果は控えめなものになっている。また、雑誌Natureに掲載された論文、Gibson et al. (2011)も、35の研究に基づき、原生的な森林の生物多様性に与える択伐のインパクトが相対的に小さいと報告している。Gibsonとその同僚は、「引出し効果(drawer effect)」、すなわち、重要な結果(訳注:提示した仮説に対して肯定的な結果)が得られた場合にのみ、研究成果が公表される傾向に由来するバイアスを排除することで、彼らの結論を強化している。
それらの分析には、いくつかの明らかな欠点がある。すなわち、メタ分析は、異なった実験のアプローチや手法を採っている異質な一連の研究群の傾向を解明する良く知られた統計的研究手法だが、その結果は、必然的に、現実の一つの戯画である。伐採された樹木の数(伐採の集約度)は、伐採技術と同様に、公表された研究の間でかなりの変異がある。また先行研究の多くは短期に実施されたものであり、それらのメタ分析が事態の長期的な成り行きについてコメントすることを不可能なものにしている。
そうした不十分な点にも関わらず、これら二つの論文はどちらも、世界各地の択伐された熱帯林が、甲虫からオランウータンにいたるあらゆる生物多様性の保全にとって決定的に重要であるという、説得力のある証拠を提供している。問題は、長期にわたる森林の存続が、木材から利益が得られることによってのみ保障されるのかどうか、そしてそれゆえに、持続可能な森林管理が、農工業の拡大といった他の市場要因と比較して競争に耐えられるか、である。Putzらの論文(2012)によると、その答えは「否」である。現在、熱帯地域で採用されている20年から40年伐期の伐採は、魅力ある金銭的見返りを伴う木材の間断なき供給を保証できず、木材の収穫は長期的には減少するとみられている。
この傾向に対抗するのを助長するため、Putz et al. (2012)は、ある混合戦略を提案している。一つの重要なステップは、持続可能な木材収穫をさらに促進させることである。というのも、持続可能な木材収穫の促進は、森林に吸収される炭素がより多く保持されることに直接結びつき、REDD+のインセンティブを通じて金銭的な補償を得ることを可能にするからである。また、彼らは明確な土地保有制度の下で多目的に森林を管理するための、地域に根差したアプローチをもっと容認してゆくことを推奨している。さらに実行可能な他の選択肢には、森林認証から得られる金銭的便益を強化すること、および、法の遵守の確約を国際市場へアクセスするための必要条件とすることが含まれる。成功への鍵は、これらのアプローチの正しいバランスをとることであり、それにより、気候、生物多様性、人々がすべて恩恵を受け、熱帯林の資源に対する多様な要求が満たされることである。世界中で4億ヘクタールに近い熱帯林が、公式的に生産目的で利用される森林に指定されている。できることはたくさんあるといえよう。
[日本語訳 : 笹岡正俊(CIFOR) m.sasaoka@cgiar.org ]
CIFOR は、1997年7月、森林に関わる世界中の人々に向けた無料の情報提供サービスとして、このリストサーブを設立しました。過去のPOLEXメッセージはCIFORのウェブサイトで閲覧できます: http://www.cifor.org/online-library/polex-cifors-blog-for-and-by-forest-policy-experts.html.
CIFORの森林ブログ: blog.cifor.org